登場人物




○帰り道の守り神
岡 エリ(おか えり)
Oka Eri

種族:廃れた村の守り神
能力:年齢を司る程度の能力

はつらつとして明るい性格
幻想郷に来る前は、山奥の村で尾谷スミと守り神をしていた。

幻想郷では、主に人間たちの帰宅を見守り、誘導している。
リクが通った時は、例え帰宅には早くても
それとなく誘導してくれるのは彼女の粋な計らいである。


彼女がもともといた村では、夜は妖怪や獣が徘徊し
夜道を歩いた人間は闇にのまれ化け物と化してしまうとされて、人々の恐怖の象徴だった。

彼女はそんな村の守り神をしていたのである。

夕方遅く帰路についた者を自宅まで闇にのまれぬ様見守る。
そんな、生活を何十年続けただろうか。
気付けば祠が建ち、人々が拝みに来るようになっていた。

彼女は、案外この村を気に入っていた。
信仰があり居心地がいいと言うのもそうだが、
なにより、彼女を惹きつけるものは友人の存在である。

彼女には、尾谷スミという友人がいた。
真逆で物静かで、大人しく、真面目と言うのがスミに対する彼女の評価だ。

実際彼女は自分からはあまり喋らなかった。
とは言え、こちらから話しかければちゃんと応答してくれるし、
自分の知らないことを沢山知っていたので
彼女はスミの事を家族のように慕っていた。

無事に帰る事を約束する彼女とは違い
スミは深夜を守るのを主としていて、人々には
安眠を約束していた。

一度、具体的に何をやっているのか聞いてみたことがあるが
スミ曰く
「そもそも、睡眠、特に夢と言う物は、精神に大きく作用されるの
つまり、私が何もしなくても、そこにいるだけで彼らは安眠できるわけよ
だから、特に何もしていないし、何もできないのよ、ガッカリさせてごめんね。」
と、よくわからない事を言っていた。
何もしてないのに安眠できるわけないのに。


ある日、村に伝染病が流行った。
もともと、少数しかいない村には大きな打撃だった。

彼女はいつも通り、帰りを見守った。

少しづつ減っていく人々、
でも、彼女は帰りを待った。

山奥の村には、薬など入ってこない。
欲しいなら、もっと、都の方へ行くしかなかった。

また、村人は減っていく。
減る速度は最初の方よりもっと加速している気がした。

人間たちは彼女達に祈った。

彼女にはどうすることもできなかった。


やがて村は滅んだ。

村が滅んだ日

最後まで残っていた村人の一人が、祠まで歩いてきた。

俯いていた顔を上げると、

村人は、手に持った斧を振りおろし、祠を粉々に破壊した。

「お前のせいだ」

村人はそう吐き捨てて、去って行った。


彼女は再び俯いた。



能力について

まんま、文字通り年齢を変動させることができる。
変動させられた人の容姿はその年にふさわしいものとなる。
しかし、人間に一万歳など
能力を使った種族にとってありえない数値にした場合
年齢を変動させることができない。
また、変動させた年齢は半日ほどでもどる。



○深夜の静寂
尾谷 スミ(おや すみ)
Oya Sumi

種族:廃れた村の守り神
能力:運を司る程度の能力

物静かで、自分から何かを喋ったりはあまりしない。
しかし、実は大のいたずら好きである。
ある村で、岡エリと共に守り神をしていた。

幻想郷では、人々がいい夢を見られるようにと、夜を見守っている。
その実は、無防備な寝顔を見て楽しんでいるだけである。
寝ている間に、リクが通っていてガッカリするのは、
彼女が最近ハマっているのいたずらの一つなので
そんな時は、「フッ…スミちゃんか、可愛い奴め」
と新しいリクをするのが正解だ。


何故、元居た村を出て、幻想郷に来たかと言うと。
簡単に言えば、村が滅んだのである。

元々小さな村で村人も高齢のものが多かった。
そこに伝染病が流行ったのである。

次々と死者が出て、人々は村から離れていった。

友人であるエリはそのことを深く悲しんだ様だが。
彼女は割とどうでもよかった。

そもそも、自分と言う存在は概念であることを理解していたからである。
人々が欲したからそこに生まれ、廃れれば消える。
そんな事は昔から覚悟していた。

彼女にとっては、人間が消えることなど
遊び道具、からかう相手が減っただけなのである。

しかし、人間はどうでもよくても、自分が消えるのはできれば避けたかった。
友人とまったり過ごす時間が最近は何より好きだったからだ。

そんなある日、風の噂にこんな話を聞いた。

「忘れ去られたモノが集まる、場所があるらしい」

まさに、自分が今必要としている場所だった。


エリは村が滅んだ日と変わらず、祠の前でうつむいていた。

「もっと、山の奥地には、疫病をもたらす妖怪がいるという
今から問い詰めにに行くが、一緒に来ない。」

と、エリを丸め込むと。

幻想郷へと向かっていった。



今では、エリとまた楽しい日々を送っている。

適当に言った疫病をもたらす妖怪が本当に居て、
会いに行ったら思いのほか歓迎されて、世間話して帰ってきた。
なんて言うのはまた別の話。


能力について

人の運を上げたり下げたりできる。
ただ自分には使うことができない。
また、その運で起きることを操作することもできないので
何が起こるかはまさに運まかせである。


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